AIを使う場所の選択肢が、また少し広がった。9月28日、Anthropicは新モデル「Claude Sonnet 5.5」を発表。同じ日にAMDは、Ryzen AI Max/Max PRO 400シリーズを搭載したPCで大規模なAI処理を手元で動かす構想を説明した。前者はモデルの速度と費用、後者は端末側のメモリ容量が焦点だ。
Claude Sonnet 5.5:トークン単価は据え置き、処理は高速化
Anthropicの9月28日付発表によると、Sonnet 5.5の出力速度は従来のSonnet 5より30%以上速い。料金は100万入力トークン当たり2ドル、100万出力トークン当たり10ドルで、Sonnet 5から変わらない。一方、同社のテストでは同じ作業を終えるためのトークン数が減り、作業単位の費用は最大30%低かったという。これはAPI単価の値下げを意味する数字ではない。
ClaudeのアプリとClaude Codeでは、考える深さを調整する「effort」の初期設定がMedium、開発者向けのClaude PlatformではHighだ。文書作成やコード修正などを繰り返す人は、同じ依頼を旧モデルと新モデルに数件ずつ試し、仕上がりと所要時間を見比べると判断しやすい。速度や費用の改善幅は、依頼内容によって変わる。
AMDのローカルAI向けPC:最大192GBの共有メモリ
AMDの9月28日付記事は、Ryzen AI Max/Max PRO 400シリーズを載せたパートナー製PCが提供されていると伝える。シリーズの上位構成では、CPUが最大16コア、NPUが最大55 TOPS、GPUが最大40演算ユニット。CPUとGPUで共有するメモリは最大192GBで、そのうち最大160GBをGPU処理に割り当てられる。いずれもシリーズ全機種に共通する仕様ではなく、構成上の最大値だ。
AMDはRyzen AI Max+ 495 PROについて、4ビットに量子化した3000億パラメータ超のモデルをクラウドへ処理を移さず実行できると説明する。ただし、大きなモデルをメモリに収められることだけで、応答速度や回答品質まで決まるわけではない。利用するモデル、ソフトウェア、メモリ構成を個別に確認したい。
クラウドと手元のPC、先に確かめたいこと
新しいクラウドモデルは既存環境から試しやすい。一方、社内文書などを端末で扱いたい場合はローカル実行が選択肢になる。実際にデータを外部へ送らないかは、AIアプリの設定や連携先にも左右される。PCの購入を検討するなら、メモリ割り当て、使いたいモデルやソフトの対応、消費電力を確認したい。AMDが示す費用比較も、利用量や電気料金などを置いた試算であり、そのまま各家庭や職場の支出には当てはまらない。
この記事は2026年9月29日に公開。上記2件の発表日はともに9月28日で、数値・提供状況は各社の発表時点のもの。


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