低価格帯ノイキャン付きイヤホンで迷ったらコレ。
求めやすい価格ながら、音楽ファンの耳を納得させるサウンドで人気を集めてきたSOUNDPEATS。この記事では、2022年11月に発売されたばかりの「Mini Pro HS」について実機レビューをお届けします。
SOUNDPEATSの「Mini Pro HS」は、2022年4月に発売された「Mini Pro」の音質と機能性をアップグレードさせた上位モデル。
新たに『LDAC』コーデックを搭載し、ハイレゾ音源のワイヤレス再生に対応。また、『Mini Pro』からさらに進化したハイブリッド式のアクティブノイズキャンセリングを搭載し、バッテリー持ちも向上したハイスペックモデルです。
「Mini Pro」は6,680円、「Mini Pro HS」は7,980円で販売されていますが、上位モデルとして見合った価格なのでしょうか。詳しく見ていきたいと思います。
Mini Pro HS の概要
SOUNDPEATS Mini Pro HSは、2022年11月23日に発売された完全ワイヤレスイヤホンです。販売価格は7,980円となっており、同価格帯のノイキャン付きTWSでは、Anker Soundcore Life P3(8,990円)やJVCケンウッド Victor HA-A30T(8,791円)あたりが比較対象ですが、ハイレゾに対応しているのはSOUNDPEATS Mini Pro HSだけです。
ライバルより安くて高機能♪
Mini Pro HSとMini Proの仕様は次の通りです。
製品仕様
Mini Pro HS | Mini Pro | |
---|---|---|
サイズ・重量 | ケース:60 × 22.5 × 48mm | ケース:60 × 24 × 45mm |
重量 | イヤホン片耳:約4.97g / ケース込み:約37.5g | イヤホン片耳:約4.97g / ケース込み:約37.5g |
音楽再生時間 | イヤホン単体:最大約6時間[ANC ON]/最大約8時間[ANC OFF] ケース併用:最大約21時間[ANC ON]/最大約28時間[ANC OFF] | イヤホン単体:最大約5時間[ANC ON]/最大約7時間[ANC OFF] ケース併用:最大約21時間[ANC ON]/最大約25時間[ANC OFF] |
ドライバー | 10mmダイナミックドライバー(バイオセルロース振動板) | 10mmダイナミックドライバー(バイオセルロース振動板) |
ANC | ハイブリッド式アクティブノイズキャンセリング | ハイブリッド式アクティブノイズキャンセリング |
外音取り込み | 〇 | 〇 |
片耳再生 | 〇 | 〇 |
防水防塵性能 | IPX5 | IPX5 |
対応コーデック | AAC、SBC、LDAC | AAC、SBC、aptX-Adaptive、aptX |
充電ポート | USB-C | USB-C |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
2つのイヤホンの大きな違いは、ハイレゾコーデックです。Mini Pro HSはLDACなのに対し、Mini ProはaptX-Adaptiveとなっており、自分のスマホがどちらに対応しているかで、どちらを購入するか決めても良いでしょう。
ちなみに、コーデックはLDACのほかにAACとSBCにも対応しており、AppleユーザーもAirPods Proと同じ高音質なコーデックで楽しめます。
Mini Pro HSのドライバーには、植物由来のバイオセルロース振動板を使った10mmのダイナミックドライバーを採用。繊細で高解像度の音が楽しめるとされています。また、ノイズキャンセリングには最新のハイブリッド式のアクティブノイズキャンセリングを採用し、マイクの位置も最適化することで、風切り音低減や最大40dBという高いノイズ低減性能を誇ります。
さらに、Mini Pro HSはIPX5の防水性能を備え、ワークアウト中の汗や突然の雨でも気にせず使用可能。
ケースは300mAhのバッテリーが搭載されており、ケースで充電しながらだと最大約28時間の再生が可能です。充電は使いやすいUSB Type-Cで、イヤホン本体の充電時間は1.5時間とされています。
外観とデザイン
この価格帯のイヤホンはほぼ全てといってもいいほど、素材のチープさが出てしまっているものも多いですが、Mini Pro HSの外観は予想以上にうまく作られています。
大きなゴールドのブランドロゴも一見すると不自然に見えますが、ノングレアで主張しすぎない色合いのため、いいアクセントになっています。
つや消し加工済みのケースには、印象的なゴールドのつぶがあしらわれており、Mini Proとほぼ同じケースではありますが差別化されています。
サウンドクオリティをチェック
SOUNDPEATS Mini Pro HSのサウンドを、LDACで接続したWalkmanを使い、FLAC音源で用意したOfficial髭男dismの『アポトーシス』でチェックしていきます。
イヤホンのサウンドチェックでまず気にするのが、音域のバランスです。不自然にブーストされた低音や、突き刺さるような高音などの不快な音がでていないかはサウンドチェックにおいてとても重要。ところが、Mini Pro HSはそのような心配は杞憂でした。とても自然なバランスで、各音域の輪郭もハッキリしており、まさに絶妙なチューニング具合と言えます。
Mini Pro HSの真骨頂は、ハイレゾ音源の再生にあります。いくらイヤホンの品質が良くても、聴いている音源がビットレートの低いmp3と高ビットレートのFLACでは、圧倒的な差がでます。MP3のビットレートが平均128kbpsなのに対し、FLACは1000~1200kbpsと10倍近い『音の密度』があるため、各楽器の音がより原音に近くなります。
そのリアルな音が、高級オーディオにも多く採用されているバイオセルロース振動板を使った10mmのダイナミックドライバーを通し、耳に飛び込んでくる訳ですから、そりゃイイ音がでます。正直、とても8千円以下のイヤホンとは思えない完成度です。
ただ、3~4万円するようなハイエンドTWSに比べると、音の明瞭感や分離感が劣るのは致し方ないところ。音の細部にこだわる方は、AirPods ProやBose・Sonyのハイエンドイヤホンをお求めください。
ノイズキャンセリングの性能
つい最近まで、1万円以下のノイキャン付きイヤホンはハイブリッド式のアクティブノイズキャンセリングに対応しておらず、ミドルクラス以上のノイキャン付きイヤホンとは明らかな差がありました。
SOUNDPEATS Mini Pro HSのノイズキャンセリングは、外側と内側にノイキャン用マイクを備えたハイブリッド式アクティブノイズキャンセリングを搭載。
最大40dBの騒音除去能力があり、それなりに混雑しているカフェでも、周囲の会話や雑音がほぼ消え、しっかり音楽に集中できます。
さすがハイブリッド式。周囲の雑音をしっかり抑えてくれます!
Mini Pro HSには、イヤホンをしながら外の音を聴くために『外音取り込みモード』が搭載されています。もう少し外音の音量は大きくてもいいかなと思いつつも、タッチ操作で素早く切り替えが可能なので、レジの会計程度であれば、わざわざイヤホンを外す必要がなく便利です。
ミドルクラス以上の外音取り込み機能の中には、外音取り込み時に音楽の音量を自動的に下げてくれるイヤホンもありますので、ここはSOUNFPEATSさんの今後に期待したいところです。
コントロールと使い勝手
Mini Pro HSのコントロールはタッチ式です。ブランドロゴ部分がタッチセンサーになっており、タップする回数によって色々な操作が行えます。
ボタン操作だと押すたびに耳にイヤホンが押し込まれる感じがして、装着感が変わってしまうこともありますが、タッチ式はそこの心配はありません。
操作は専用アプリ「SOUNDPEATS」からも行えます。イコライザー調整やANCモードの切り替えのほか、低遅延なゲームモードのOFF/ONも行えます。そこまで多機能なアプリではありませんが、逆にシンプルなUIであるため、操作で迷うことはないでしょう。
メリット・デメリット
メリット・デメリットを纏めると以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
ハイレゾ・LDACコーデック対応 ハイブリッド式アクティブノイズキャンセリング 風切音軽減対策(マイク位置を最適化) Bluetooth5.2 | 自動耳検出未サポート ワイヤレス充電未サポート マルチポイント未サポート |
Mini Pro HSは8千以下の価格設定ながら、LDACに対応し、低価格帯イヤホン=音質がイマイチという、これまでの常識を覆す製品です。また、同様にこの価格でハイブリッド式アクティブノイズキャンセリングも搭載しているのは驚きです。
一方、自動耳検出機能やワイヤレス充電、マルチポイント接続については未サポートです。これらの機能が外せないという方は、1万円半ば~2万円くらいの予算で考えるとよさそうです。
まとめ:間違いなくトップクラスのコスパ。メインとしても、2台目としてもオススメ
8千以下の完全ワイヤレスイヤホンもついにここまできたか、というのが正直な感想です。同じく低価格帯路線を歩むAnkerでさえも、同じスペックでは1万円以上してしまいます。
LDAC対応スマホを持っている方はもちろん、LDAC未対応のiPhoneユーザーも、高音質なAACコーデックで接続可能なため、全然アリだと思います。この価格帯で、Mini Pro HSを超える完全ワイヤレスイヤホンはまず無いんじゃないでしょうか。
非常にコンパクトで持ち運びやすく、ロングバッテリー搭載なので通勤・通学のお供にもぴったりです。
以上、ベア三郎でした!
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