テレビのサウンドを手軽にアップグレードできるとして大人気のサウンドバー。従来のサラウンドシステムと比べて場所も取らず、比較的、手頃な価格で臨場感あふれるサラウンドを楽しむことができます。
10万円を超えるようなハイエンドクラスのサウンドバーも素晴らしいですが、僕がオススメなのは競争が著しい2~5万円のエントリークラスです。
最近はエントリークラスでも高性能なものが増えています。
その中でも、ユーザーから厚い信頼を集めるヤマハから、9月上旬に『YAMAHA SR-B30A』が発売されました。
ヤマハのSR-Bシリーズは、高いサウンド品質ながら手頃な価格で常に売り上げ上位という大人気シリーズ。
ヤマハが掲げるTRUE SOUNDを基に、新たに3次元音場フォーマットであるドルビーアトモスに対応したことで、立体感あるサウンドと自然な人の声や音色が楽しめる1台に仕上がっています。
この記事では、そんなヤマハの最新サウンドバー『SR-B30A』について、徹底レビューしたいと思います。
- クラスを超えた臨場感あふれるサウンド
- HDMI eARC/ARC対応
- Dolby Atmos対応
- HDMI外部入力無し
- IRリピーター無し
YAMAHA SR-B30Aの外観とサイズ
YAMAHA SR-B30Aは、サブウーファーを内蔵したワンボディタイプのサウンドバーです。
先月、一足先に発売されたSR-B40Aは、外付けのワイヤレス・サブウーファー付きの上位モデルとなっています(近日中にレビュー予定)。
外形寸法 | 910(W)×68(H)×133(D)mm(平置き設置時) 910(W)×66(H)×139(D)mm(壁掛け設置時, スペーサー含む) |
質量 | 3.9kg |
表面は、シックな黒を基調としたファブリック加工が施されています。テレビの前に置いても、部屋の雰囲気を壊しにくいシンプルなデザインです。
高さも6.8cmしかないため、ほとんどのテレビでリモコン受信部を邪魔する心配は無さそうです。
サウンドバーの両端には、空気の流れを作ることで低音を増幅してくれるバスレフポートが付いています。
美しい光沢素材を使ったラウンドフォルムがちょっとしたアクセントになっています。
さらにYAMAHA SR-B30Aの特筆すべきポイントの一つとして、スピーカーが傾斜している点があげられます。
スピーカーの音は、部屋の中の物に反射することで音質が損なわれることが一般的。しかし、YAMAHA SR-B30Aは緻密に計算された傾斜を持つことで、この問題を効果的に解消しています。
これにより、音が直接リスナーの耳へ届くようになるため、コンテンツ制作者が意図したピュアなサウンドを体験することができる訳です。
計算されたデザインにより、価格を超えるサウンドを実現する企業努力には感服します。
YAMAHA SR-B30Aの接続オプション
YAMAHA SR-B30Aの接続端子はとてもシンプルです。
光デジタル | 1 |
USBポート | 1(アップデート専用) |
HDMI出力 | 1(eARC/ARC対応)※HDMI CEC対応 |
サブウーファー出力 | 1 (別売りのサブウーファーが追加可能)※有線接続 |
HDMIはテレビと接続するための出力のみで、ミドルクラス以上だとよく見かけるHDMI入力は搭載されていません。ゲーム機やBlu-rayプレイヤーなどをテレビを介さず、直接接続したい人はもう少し予算を増やしてみる必要がありそうです。
とは言え、一般的な使い方ではテレビとHDMIケーブル1本で接続すれば十分。
シンプルにHDMIケーブル1本でつながるのは嬉しいですね。
テレビ側のHDMIがeARCまたはARCのどちらにも対応していない場合は、光デジタルケーブル(別売)で接続します。
HDMIケーブル1本だけで、カンタン接続♪
参考:接続形式と対応音声フォーマット
接続形式 | 音質 | 音声フォーマット |
---|---|---|
eARC | Dolby Digital / Dolby TrueHD / Dolby Digital Plus / Dolby Atmos、MPEG-2 AAC | |
ARC | Dolby Digital / Dolby Digital Plus / Dolby Atmos、MPEG-2 AAC | |
光デジタル | Dolby Digital、MPEG-2 AAC |
もっともよい音質が得られるのはeARCです。非圧縮の7.1ch音声やHDオーディオ(Dolby Atmos、Dolby TrueHD)の伝送が可能になります。
一方、配信サービスで使用されるドルビーアトモスは、ほぼ全て圧縮(Dolby Digital Plus)になっているため、ARC接続で十分という人も多いのではないでしょうか。
なお、eARCで接続する際はウルトラハイスピード対応のHDMIケーブルが必要です!
YAMAHA SR-B30Aのサウンドクオリティ
さて、サウンドバーとして最も肝心なサウンドについてレビューします。
YAMAHA SR-B30Aは、ヤマハの原音を大切にするTRUE SOUNDの考え方をベースとし、同社が長年培ってきた多次元サウンド技術とDolby Atmosを組み合わせた渾身のサウンドバーです。
今回はApple TV+のSFドラマ『Foundation』でチェックしてみました。
結論から申し上げると、クラスを超えた完成度の高い音に終始圧倒されっぱなしでした。エントリークラスからハイエンドクラスまで、様々なサウンドバーをレビューしてきた僕も思わず唸り声をあげてしまう出来栄えです。
なんと言っても、TRUE SOUNDの原則に基づいた低音域から高音域までバランスの取れた音質が見事です。低音域に関しては、内蔵のサブウーファーとは思えないクリアかつ深みのあるサウンドで、エントリークラスにありがちな篭るような感じも全くありません。
さらに凄いのがYAMAHA SR-B30Aのサラウンド感です。eARCに対応したことで、ドルビーアトモスの三次元効果が最大限に引き出されているとはいえ、アクションシーンからドラマまで、多角的に聴こえてくるサラウンドで部屋中が満たされていました。
ワンボディタイプなのに、まるで映画館にいるような気分になれるのはスゴイ!
ちなみに、ドルビーアトモスで再生されているかどうかは、ランプの色で分かります。
ドルビーアトモスの信号を受け取ると、サウンドバー前面にある『DOLBY ATMOS』ランプが緑色に光ります。
また、リモコンの『INFO』ボタンを押すことでも再生中の音声信号の種類や、サウンドバーの設定状況が分かるようになっています。
ドルビーアトモスの場合は『TV』ランプが赤色に点灯し、それ以外のDolby Audio(Dolby Digital、Dolby Digital Plus、Dolby TrueHD)の場合は白色に点灯します。
YAMAHA SR-B30Aの操作性
操作は付属のリモコンか専用アプリで行います。
音量調整やミュートなどの他にも、人の声やセリフがくっきり聴こえるようになる『クリアボイス』や、低音を強調してくれる『バスエクステンション』、シーンあわせて選べるサウンドプログラムなどが簡単に操作できます。
リモコンはシンプルな見た目ですが、ボタンの長押しを組み合わせることで、多くの機能設定が行えます。慣れてきたら、ユーザーガイドを片手にいろいろ触ってみると楽しいかもしれません。
専用アプリでは、分かりやすいグラフィックで直感的に操作が可能です。さらに、『トーンコントロール』を使えば、自分好みのサウンドにEQ調整することだって出来ちゃいます。
シンプルだけど洗練された操作性。意外と多機能なので、ユーザーガイドを読み込んで使いこなそう!
まとめ:クラスを超えた完成度。3万円でおうち映画館を作ろう!
YAMAHA SR-B30Aは、高品質なサウンド体験を手頃な価格で提供する価値あるサウンドバーです。
ヤマハの確かな音響技術とドルビーアトモスが見事に融合し、ワンボディタイプのエントリークラスの中でも、随一を誇る完成度でした。
唯一惜しいと思うのは、IRリピーターが内蔵されていないところくらいです。とはいえ、IRリピーターは後付け可能で、せいぜい1,000~2,000円程で購入できます。
サウンドバーがリモコン受信部を遮って困る場合は検討してみてください。
HDMIケーブル1本で接続完了するのは最高♪
YAMAHA SR-B30Aは、とりあえずサウンドバーを試してみたい人、予算を抑えたい人にとって最高のパートナーになるはずです。
ぜひ検討してみてください。
以上、ベア三郎でした!
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