ロックシーンを語るうえで外すことのできない最重要バンド。そのひとつが『ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)』。
サティスファクションとか、ペイントイットブラックとか割と有名な曲は知ってるけど、いまいちどれから聴けばいいのかわからない!というあなたのために、おすすめの名曲とともに、ローリングストーンズの激動の歴史を辿ってみたいと思います。
1962年4月のロンドンで結成。今なお現役で活動する世界最高のロックバンドのひとつ。
メンバー
・ブライアン・ジョーンズ(ギター、ハーモニカ)※元リーダー。1969年死去。
・ミック・ジャガー(リードヴォーカル、ハーモニカ)
・キース・リチャーズ(ギター、ボーカル)
・ビル・ワイマン(ベース)※1993年脱退。
・チャーリー・ワッツ(ドラム)
・イアン・スチュワート(ピアノ)※デビュー直前に外見を理由に外されたが裏方としてずっと支えていた実質的6人目のメンバー。1985年死去。
🎸デビュー期(1962~1966年)
初期はバンドリーダーだったブライアン・ジョーンズのアイデアで、白人による本格的なR&Bバンドというコンセプトで活動していました。ちなみにデビューシングルはチャックベリーのカバー『Come On』。
メジャーデビューのきっかけは、彼らのライブを観たビートルズのメンバーが彼らの可能性を見出したことが契機でした。ビートルズの若き広報担当だったオールダムに指示し、見事スカウトに成功します。
それからオールダムは1967年までストーンズのマネージメント・プロデュースをしていました。その伝手もあって、セカンドシングルはレノン=マッカートニー作詞・作曲の『I Wanna Be Your Man』。これが全英シングルチャートで12位を記録し、徐々にその名をイギリス全土に広めていくのでした。
♪(I Can’t Get No) Satisfaction
1965年にリリースしたアルバム『Out Of Our Heads』収録。全米チャートを4週連続で1位を獲得。当時はアメリカでヒットすることが世界的スターになる絶対条件でした。ローリング・ストーンズは1962年から活動を始め、イギリスで徐々に人気を獲得し、この頃はアメリカでも売れたいと模索していた時期でした。レノン=マッカートニーのスタイルに憧れていたジャガーとリチャードが初めて『ジャガー/リチャーズ』クレジットでソングライターとしての成功を収めた曲でもあります。
この頃から、作曲が苦手だったブライアン・ジョーンズの存在感がバンドから薄れていき、『ジャガー/リチャーズ』バンドの主導権を握っていきます。
♪Paint It Black
1966年にリリースされたアルバム『Aftermath(US盤)』収録。この頃、アメリカでのローリング・ストーンズ人気は一層増しており、サティスファクションのヒットに続き、英米シングルチャートで1位に輝いています。作詞・作曲は引き続き『ジャガー/リチャーズ』。存在感が薄れていたとはいえ、とんでもない才能の持ち主だったリーダーのブライアン・ジョーンズがインドのシタールを取り入れ、とてもサイケデリックなサウンドになっています。
この曲はストーンズの中でもサイケでハードロックよりの曲調のせいか、多くのHR/HMバンドによってカバーされています。
♪Let’s Spend the Night Together
「夜をぶっとばせ」 (Let’s Spend the Night Together)は、「ルビー・チューズデイ」(Ruby Tuesday)と両A面シングルとしてリリースされました。この頃はアメリカでも人気を我が物とし、それぞれ全米チャートで55位、1位という売り上げを残しています。
♪Ruby Tuesday
「夜をぶっとばせ」 (Let’s Spend the Night Together)は結構性的な表現が理由でアメリカのラジオでは流されていなかったのですが、「ルビー・チューズデイ」(Ruby Tuesday)は売れに売れ、母国イギリスでも評判で、アメリカでもゴールドディスクも獲得しています。
さすが『ジャガー/リチャーズ』といったソングライティングで、とっても聴きやすい1曲です。
🎸人気絶頂のバンド中期(1967~1970年)
♪She’s a Rainbow
1967年リリースのアルバム『Their Satanic Majesties Request』より。このアルバム唯一のポップチューン。この頃、バンドメンバーは気晴らしを理由に麻薬に手を出しちゃいます。あきれたオールダムはこのアルバム制作を最後に関係を切ってしまいます。麻薬が影響してか、全体的にめちゃくちゃサイケな雰囲気のアルバムとなっています。ジャケットはビートルズのサージェントペパーズみたいですね。
♪Monkey Man
ライブでは定番の『Monkey Man』は1969年にリリースされました。「俺はキマってる」と叫ぶこの曲に代表されるように、バンドメンバーが麻薬に溺れていきます。この頃、麻薬が原因でリーダーのブライアン・ジョーンズがプールで溺死しています…。
曲はとにかくめっちゃかっこいい。
🎸デッカ・レコードとの決別期(1971~1973年)
♪Brown Sugar
ブライアン・ジョーンズの死後、初期からのデッカ・レコードと契約を終了し、Rolling Stones Recordsを設立します。また、ブライアン・ジョーンズに代わるギタリストとしてミック・テイラーがバンドに加入します。
ストーンズを代表するギターリフで始まるこの曲は、そんなバンド変革期にあたる1971年にリリースされました。
リーダーの死、そしてレコード会社と揉めても、飛ぶ鳥を落とす勢いのストーンズ。アメリカでは2週連続1位、同曲が収録されているアルバム『スティッキー・フィンガーズ』はこの楽曲の大ヒットと連動して、アメリカで300万枚以上のセールスを上げています。
♪Angie
1973年にリリースされたストーンズきっての名バラード。この曲はアメリカで1位、母国イギリスでも2週連続5位の売り上げを記録して、世界的ヒットとなっています。日本でもドラマの主題歌になっていたりしましたね。
この名曲が収められているアルバム『山羊の頭のスープ(Goats Head Soup)』は1973年ジャマイカでレコーディングされました。全英、全米共に1位を記録しています。
🎸バンドの隆盛と衰退期(1974~1981年)
♪Black and Blue
1974年にテイラーは音楽的な理由でストーンズを脱退。その後、ロン・ウッドがギタリストに加入します。そのロン・ウッドが加入して最初のアルバムが『Black and Blue』です。
このアルバムも前作同様、世界的ヒットとなります。ギタリストの交代という波を超えてもなお勢いの止まらないストーンズに感服です。
ただ、この後からキース・リチャードの薬物依存がひどくなり、ライブ中に寝入ってしまうなど、バンドは尋常ならざる状況になっていきます。本作リリース後、「Tour of Europe ’76」の途中、1977年に薬物売買の罪で、とうとうキース・リチャードが逮捕される事態となりました。
『ジャガー/リチャーズ』の一翼を担うソングライターの逮捕。さすがのローリング・ストーンズも解散の危機となってしまいます。ちょうどこの頃、世界ではパンクムーブメントが訪れ、ストーンズのスタイルは古臭いと認識されるように。。。しばらく、沈黙の時期が続きます。
♪Miss You (Remastered)
ところが、ここで終わらないのがローリング・ストーンズ。1978年には、これまでの評価を一変。1978年のアルバム『Some Girls(女たち)』のヒットをきっかけに、パンクムーブメントを押しのけ、再び表舞台に復帰します。
♪Start Me Up
1981年には、浮き沈みしつつも、世界的大ヒットとなった名曲『Start Me Up』をリリース。
しかし、バンドのかつての人気は保つことができなくなり、1989年までライブ活動を休止し、メンバーそれぞれがソロ活動に移行するなど、バンドは衰退の一途をたどることになります。
メンバーそれぞれのソロ活動はそれなりに商業的成功を納め、バンドも解散することなく続けていました。
まあ、でもいまでもローリング・ストーンズは世界的バンドの地位は揺らぐことなく、世界のロックスターとして世界中から愛されるバンドだったりします。2002年にリリースされたベストアルバム『フォーティ・リックス(Forty Licks)』は新曲2曲も含まれ、全世界で700万枚を超えるセールスを達成しています。
🎸まとめ・感想
この頃のロックスターはもれなく薬物に溺れて、揉めて、ソロをまた契機に揉めて…という感じで最悪解散や、メインメンバーの悲劇的な最期で幕を閉じちゃうバンドも多いのですが、ローリングストーンズだけは今でも現役で解散することなく続けています。奇跡です。
とはいえ、ストーンズのメンバーもかなりの御歳。来年2019年の全米ツアーを最後にライブ活動から身を引く考えであると、キース・リチャードが明言しています。伝説のバンドの最後、となるかもしれない全米ツアー。ファンなら行ってみたいものですね!
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