みなさん、こんにちは。音楽ブロガーのベア三郎(@Music_bearblog)です。
ジャズにおけるギターは、トランペットやサックスのような花形ポジションではありませんが、フロントもバッキングもこなせるオールラウンダー。
サイドマンとしての活躍が多い一方、名演と呼ばれるリーダー作品も少なからず存在します。
本稿では、ジャズギターに興味を持ちはじめた方に向けて、押さえておきたいギタリストをまとめました。この記事をきっかけにお気に入りのジャズギタリストが見つかるとうれしいです。
超有名プレイヤーとの共演もアツい♪
チャーリー・クリスチャン
ジャズギターの開祖
チャーリー・クリスチャン(1916年7月29日 – 1942年3月2日)は、アメリカ・テキサス州出身のギタリストです。ジャズにギターを持ち込んだはじめてのギタリストとして有名。スウィング・ジャズの王様「ベニー・グッドマン」の楽団でキャリアを積みました。
これまでジャズ・ギターはコード弾きが主流でしたが、チャーリー・クリスチャンによってアドリブやソロが大々的に取り入れられるようになり、ギターはメロディもリズムも取れる万能楽器として認知されるようになりました。
そんなチャーリー・クリスチャンですが、患っていた結核により、わずか25歳の若さで他界してしまいます。
彼の音源は、ビバップ発祥の地「ミントンズ・プレイハウス」で、個性派ピアニストのセロニアス・モンクと共演した貴重なセッション・アルバム「ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン」で聴くことができます。
ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン
ザ・オリジナル・ギターヒーロー
おすすめ必聴アルバム
ウェス・モンゴメリー
ジャズギターの可能性を広げた技巧派
ウェス・モンゴメリー(1923年3月6日 – 1968年6月15日)は、アメリカ・インディアナ州出身のギタリストです。
兄のモンクはベーシスト、弟のバディはピアニストと兄弟揃ってジャズの演奏家でした。チャーリー・クリスチャンのスタイルを継承しつつも、それまで曲のアクセントにしか使われなかったオクターブ奏法をソロで多用したり、コード奏法といった革新的なスタイルで一世を風靡。
それまでのギター演奏の常識を塗り替えたジャズギターの巨匠です。
ウェス・モンゴメリーが得意とするオクターブ奏法は、2つの弦をオクターブ違いで一緒に弾いちゃういわば「一人ユニゾン」。いまでは常套フレーズとして多く使われています。ウェス・モンゴメリーはオクターブ奏法の代名詞。サムピッキングによるソロもかっこいいですね!
ウェス・モンゴメリーはこの2枚が特におすすめ。
フルハウス
ビバップスタイル期の名盤!!
A Day in The Life
イージーリスニング・ジャズ期の名盤。ウェス・モンゴメリーはビバップから華麗にイージーリスニングに移行して、セールス的にも成功しました。
おすすめ必聴アルバム
ジャンゴ・ラインハルト
ジプシー音楽×ジャズのステキな出会い
ジャンゴ・ラインハルト(1910年1月23日 – 1953年5月16日)は、ジプシーの家庭に生まれまたベルギー出身のギタリスト。
ジプシー音楽とスウィング・ジャズを融合させた「ジプシー・スウィング」の創始者として知られ、圧倒的なテクニックと情熱的なチョーキングがめっちゃセクシーです。
そんなジャンゴですが、不幸にも18歳の時に両手に大やけどを負う事故に遭遇。努力家だったジャンゴは、必死のリハビリの末、事故前よりも魅力的な演奏ができるように。
その後、20世紀最大のポピュラーミュージック界の音楽家と称された「デューク・エリントン」に見出され、アメリカツアーに同行。ヨーロッパのみならず、アメリカでも人気を博し、バッキングが定番だったギターを、フロント楽器の一つとして世に広めた立役者になりました。
Djangology(ジャンゴロジー)
1949年リリースの代表作。フル・アコースティックでキレッキレのジャズを聴かせてくれます。思わず、胸が熱くなります。
おすすめ必聴アルバム
ジョー・パス
1人ジャズバンド。正確無比な超絶技巧派
ジョー・パス(1929年1月13日 – 1994年5月23日)は、アメリカ・ニュージャージー州出身のギタリストです。超絶技巧を誇り、のちのギタリストに大きな影響を与えました。ピアニストのオスカー・ピーターソンや、ジャズ・シンガーのエラ・フィッツジェラルドといった、ジャズ界の大物たちとも数多く共演しています。特に、ソロではギター1本でどこまでも聴かせてくれるソロギターの名手で有名でした。
ザ・トリオ
まさに神がかったプレイ。超絶技巧が冴え渡っています!
Virtuoso(ヴァーテュオーゾ)
全ギタリスト必聴。ジョー・パスを代表するアコースティックギターの名盤です。
Unforgettable
全曲ガット・ギターで演奏された晩年の傑作。メロウな雰囲気に癒されます。
おすすめ必聴アルバム
パット・メセニー
ジャズの可能性を広げた立役者
パット・メセニー(1954年8月12日 – )はアメリカ・ミズーリ州出身のギタリストです。兄はトランペッターのマイク・メセニー。パットもトランペットから音楽を始めましたが、兄を超えることができないと悟ってギターに転向したとか。
その後、ギターの才能に目覚めた彼は、ビブラフォン奏者ゲイリー・バートンの楽屋に赴き、自らを売り込みました。そこで気に入られた彼は、ゲイリー・バートンの推薦で、18歳の若さでバークリー音楽院の講師となります。
その後、ゲイリー・バートンの「リング」でプロとしてのキャリアをスタート。すぐに売れっ子となり、パット・メセニー・グループを結成。自身のリーダー作品をいくつも世に送り出しました。
ソロでもグループとしても、数々のグラミー賞に輝いたパット・メセニー。いまでは世界で最も影響力のあるギタリストとして知られています。
スティル・ライフ(トーキング)
1987年にリリースしたパット・メセニー・グループ名義のアルバム。「Last Train Home」は、TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険スターダストクルセイダース』 エジプト編のエンディングテーマとしても起用されていました。
レター・フロム・ホーム
続けて1989年にリリースしたアルバム。1990年度グラミー賞ベスト・ジャズ・フュージョン・パフォーマンス賞受賞作。
フロム・ディス・プレイス
2020年にリリースされた待望のスタジオ・アルバム。これまで共演してきた盟友やオーケストラを従え、ボーカル曲も収録された傑作。
おすすめ必聴アルバム
ジョン・マクラフリン
フラメンコ由来の超絶技巧の速弾きギタリスト
ジョン・マクラフリン(1942年1月4日 – )は、イングランド・ヨークシャー地方出身のギタリストです。これまた超絶技巧の速弾きの名手で、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」では、2003年に第49位、2011年の改訂版で第68位にランクインしています。
また、ジョン・マクラフリンは自らヒンドゥー教に改宗するほどインド好きで有名。改宗をきっかけに、インド音楽に傾倒します。また、フラメンコの要素も取り入れた超絶技巧の速弾きプレイスタイルも見逃せません。
エクストラポレーション(Extrapolation)
初リーダー作とは思えない完成度。ジョン・マクラフリンが1969年に、ジョン・サーマン(Sax)、トニー・オックスレー(Drum)と組んだ名盤です。
Love Devotion Surrender
同じくインド音楽に傾倒していた天才ギタリスト、カルロス・サンタナと組んだ傑作。インドから影響を受けたサウンドが独特の雰囲気を醸し出しています。
Birds of Fire
ジャズとロックを高次元で融合させた名盤中の名盤。プログレッシブ・ロックの要素も垣間見え、いま聴いても先進的な音楽です。
おすすめ必聴アルバム
ジョン・スコフィールド
ロックファンにも聴きやすい。ロック系ジャズギタリスト
ジョン・スコフィールド(1951年12月26日 – )は、アメリカ・オハイオ州出身のギタリストです。ジャズ・ロック、フュージョン系のミュージシャンとして、セッションやソロで活動しています。日本を代表するトランペッターの日野 皓正とは縁が深く、初のリーダー作品として日野 皓正が参加しています。それもあってか、日本製のアイバニーズをこよなく愛用しています。
ウーバージャム
ジョン・スコフィールドの代表作。ジャズ、ファンク、ロックを融合させたジャム・バンド・シーンに影響を与えた名盤です。
ウーバージャム・ドゥ
「ウーバージャム」の単なる続編という位置づけではなく、はっきりと新たな領域にチャレンジした意欲作。
2年連続でグラミー賞に輝き、円熟期に達したジョン・スコフィールド。2018年リリースの最新アルバム「Combo 66」でも、愛器AS200 ARTSTARのセミホロウの温かみのある音がいい味出しています。
Combo 66
いまだ衰えを知らない2018年の作品。
おすすめ必聴アルバム
パット・マルティーノ
超絶技巧×圧倒的なグルーヴ!!
パット・マルティーノ(1944年8月25日-) は、イタリア系アメリカ人のジャズギタリストです。父親の影響で音楽に興味を持ち、12歳でギターを始め、わずか15歳にしてプロとして活動を始めました。
超絶技巧のギタリストでしたが、1980年に行った脳動脈瘤手術の後遺症で、ギターと音楽キャリアのすべての記憶をなくしてしまいます。その後、ご家族の懸命な介護とリハビリにより驚異的な回復を見せ、過去の作品を聴きながら見事に復活を遂げます。
Nexus
人気絶頂期にあった1980年に脳動脈瘤手術の後遺症で記憶を失ったパットマルティーノ。その後、たゆまぬ努力の末、1994年にリリースされたこちらのアルバムで完全復活を遂げました。
音楽の記憶をすべて無くした人のプレイとは思えません…。
Impressions
1999年リリースの名盤。圧倒的なグルーヴ感。16分の難しいフレーズも実にクールに弾きこなしています。ジャズギタリストに興味を持ちはじめたころに購入した、パット・マルティーノの中でも個人的な思い入れの強いアルバムです。
おすすめ必聴アルバム
ラリー・カールトン
ロック・ブルースなんでもこなすマルチな天才
ラリー・カールトン(1948年3月2日 – )は、アメリカ・カリフォルニア州出身のギタリストです。
6歳の頃からギターを始め、ハイスクール時代にB.B.キングやジョン・コルトレーンに影響を受け、ジャズ・ギタリストの道を歩み始めます。
その後、ジョー・パスに師事し、プロとしてのキャリアをスタートさせます。2010年には、B’zの松本孝弘とコラボしたアルバム「TAKE YOUR PICK」でグラミー賞を受賞して話題になりました。
Alone/But Never Alone
ラリー・カールトンの代名詞ギブソンES335を置き、全篇スチール弦のアコースティック・ギターで収録した傑作。
Greatest Hits Re-Recorded Volume One
ラリー・カールトンのエッセンスが詰まったベスト盤。彼の40年を超えるキャリアが一気に堪能できます。粘りのあるというか、色気があるというか、まさに歌うようなギターです。
おすすめ必聴アルバム
ジム・ホール
全ジャズギタリスト憧れの巨人
ジム・ホール(1930年12月4日 – 2013年12月10日)は、アメリカ・ニューヨーク出身のギタリストです。
現代ジャズを代表する巨匠で、パット・メセニーなど多くのギタリストが、ジムからの影響を公言しています。ジャズ・ジャイアンツのソニー・ロリンズや、アート・ファーマーといったジャズ界の大物たちのリーダー・アルバムにもサイドマンとして多数参加。2013年に83歳で他界されました。
Jazz Guiter
ジム・ホール初となるリーダー作品。ウェスト・コースト・ジャズの名手とともにトリオ構成で録音された名盤です。
Alone Together
ベーシストのロン・カーターとのデュオ作品。ふたりの名プレイヤーが織りなす、洗練された高度な演奏が光る名盤です。
Undercurrent
ジム・ホールといえば、1962年にビル・エヴァンスと共演した「アンダーカレント」。太めのサウンドながら実に甘く、キレイな音色ですね。
まとめ・感想
最後までお読み頂き、有難うございました!
お気に入りのギタリストは見つかりましたか?フュージョよりの超絶技巧なギターもすごいですが、最後のジム・ホールの「I Hear a Rhapsody」みたいなしっとり聴くジャズも堪りません。
管楽器やピアノも良いけど、やっぱりギターって最高です♪
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