皆さん、こんにちは。音楽ブロガーのベア三郎です。
11月4日に国内販売が開始されたAnkerのフラッグシップモデル・イヤホン「Soundcore Liberty 3 Pro」。
独自ドライバ「A.C.A.A 2.0」とハイレゾ相当のBluetooth再生が可能となる「LDAC」に対応し、同社で評判の高い「ウルトラノイズキャンセリング」もバージョン2.0に進化。
このスペックを見る限り、Anker史上最高の完全ワイヤレスイヤホンとの謳い文句通り、期待できそうです。
コスパの高い製品が魅力のAnkerですが、定価19,800円と、もうちょい出せばトップブランドのイヤホンに手が届いてしまう金額。はたして買いなんでしょうか。
ん~。Ankerなんだから、お値段以上の期待しちゃうけど、大丈夫?
という訳で、Air Pods Pro/Jabra/ゼンハイザー/Technicsのようなトップブランドや、1つ前のLibertyシリーズ「Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro」とも比較しつつ、本音レビューしていきたいと思います!
Anker Soundcore Liberty 3 Proの主な仕様
製品名 | Anker Soundcore Liberty 3 Pro |
---|---|
本体重量 | ・イヤホン:7g(1個) ・ケース:59g |
音楽再生時間 | 最大6時間(イヤホン本体のみ) / 最大24時間(充電ケース使用時) ※ノイキャン利用時(+LDAC利用時は半分) |
充電時間 | 約2時間、15分の充電で約3時間 再生可能 |
ドライバー | ・Anker独自開発のドライバー構造 (A.C.A.A 2.0) ・高音と低音それぞれに強いドライバを2つ搭載 |
ANC | ・ウルトラノイズキャンセリング 2.0 ・周囲の雑音レベルに合わせて自動調整 |
防水規格 | IPX4 |
対応コーデック | AAC / SBC / LDAC |
充電ポート | USB-C / ワイヤレス充電対応 |
Bluetooth | 5.2 ※マルチポイント接続に対応 |
高音質コーデック「LDAC」や「ウルトラノイズキャンセリング 2.0」に加え、2台同時にペアリング可能な「マルチポイント接続」にも対応とまさに全部盛り。それでは詳しく見ていきましょう。
カラーは「ミッドナイトブラック」と「クラウドホワイト」の2色展開
深く沈みこむような黒が際立つ「ミッドナイトブラック」と、エレガントな色合いの「クラウドホワイト」の2色展開です。いずれも高級感ある落ち着いたカラーリングとなっています。
Ankerの最新技術を惜しみなく投入
ハイレゾ相当の音源再生を可能となる「LDAC」に加えて、独自開発の新ドライバ「A.C.A.A 2.0」で音質強化が図られているようです。さらに、Anker独自のノイキャン機能である「ウルトラノイズキャンセリング」が2.0に進化。周囲の環境音を検知して、最適なレベルに自動調整されるようになりました。
また、2台のデバイスと同時にペアリングできる「マルチポイント」にも対応。iPhoneとiPadを切り替えたい場合に、いちいちペアリングしなおす必要が無くなりました。
気になるところ
一方、スペックから気になったのは、片耳7gという重量です。昨今のハイエンドモデルの価格帯では5g前後が主流ですので、2g差ではありますが気になりました。
また、再生時間もイヤホン単体で6時間と標準的な性能に納まっています。防水性能もIPX4と、十分ではありますが特筆すべき性能ではないようです。
さらに、ウィングがゴム素材のカバーで覆われているので、人によっては蒸れたり違和感があるかもしれません。
ズレ防止に貢献していると思うのですが、長時間付けていると蒸れます。
高級感あふれる見た目
さすがフラッグシップモデルです。高級感あふれる外装が期待感を高めてくれます。クルクル開く展開式なので、開封はとっても簡単。
イヤホンのハウジングがゴールド!大抵、最初から中間サイズのイヤーチップが装着されているのですが、自分で最適なイヤーチップを装着するところからはじめます。
他のモデルとの差別化なのか、フラッグシップモデルを所有する満足感を引き立ててくれる演出です。
Libertyシリーズの中でも、とくにシュッとしています。
内部のチップ構造を再設計したことで、1つ前のLibertyシリーズよりかなりの小型化に成功しています。うどん型ではなく、最近流行りのバッジ型です。
流行りのワイヤレス充電にも対応
フラッグシップモデルなので、ワイヤレス充電にもバッチリ対応しています。USBケーブルで充電するより、ワイヤレス充電だと時間は掛かりますが、ワイヤレスに慣れると手放せません。
就寝前に充電すれば、まったく問題なし!
Anker史上最高の音質をレビュー!
さて、肝心の音質のほうはどうでしょう。音楽ブロガーの視点で、忖度なくレビューしていきます。今回は、ちょっとした違和感があったので、いつもより長時間掛けてじっくり堪能したうえで書きました。。
ロックやポップスより、EDM系にぴったりかも
全体的なサウンドの感想からいうと、クリアな音質で音の広がりも悪くありません。抜けのある高音に中音域も素晴らしいバランスです。一方、低音はやや特徴的でファットな感じです。良く言えばリッチな音質でしょうか。
本日はフー・ファイターズの疾走感あるナンバー「The Pretender」から聴いてみました。
出だしのバラード調はとてもクリアな印象。音圧がしっかりしていて、音の広がりもいい感じです。程なくして、立ち上がりのよいスネアから、一気にギター・ベースが入ってきますが、ファットな低音のせいなのか、そこでぼやけた印象を受けました。
前モデルより少し低音のファットさが強調されていますが、Ankerのフラッグシップモデルと言えば、というブランド特有のクセのようにも思えます。
一方、EDMやエレクトロ・ハウス系を聴くにはリッチでファットな低音が有利に働きます。リアーナの艶やかなボーカルにピッタリです。
イコライザーで気になる音質は自由に変更可能!
気になってしまった低音のファットさですが、アプリを使ってイコライザーで簡単に調整可能。筆者の耳では、低音域を1~2下げるとちょうどよかったです。それでも独特のファット感が完全に消えるわけではなさそうです。
イコライザーの他にも、HearIDや3Dオーディオと言ったAnker独自の設定が利用できますが、どれも正直言ってイマイチでした。
HearIDは片耳ずつ可聴域のテストを行い、自分に足りない可聴域を補う効果があると思われますが、音の装飾感が気になってしまい、自分には合いませんでした。ここは他のトップブランド・イヤホンでは違和感無い可聴域チューニングが可能なので、今後の改善に期待したいと思います。
3DオーディオはAppleミュージックで対応している楽曲であればそこそこいい感じに聴こえますが、Air Podsにはおよびません。未対応の楽曲でオンにしてしまうとかなり残念な音質になります(こればかりは仕方がないと自覚しているのでOK)。
「Soundcore Liberty Air 2 Pro」と比較してどうだった?
Libertyシリーズの1つ前のモデルである「Soundcore Liberty Air 2 Pro」もLDACに対応しており、大きく異なる点は独自開発の「A.C.A.A. 2.0」ドライバとなりますが、そこまで音質に違いは感じませんでした。
「Soundcore Liberty Air 2 Pro」が12,980円で、こちらのモデルが19,800円と7千円弱の差があり、コスパを求めるなら「Soundcore Liberty Air 2 Pro」で十分でしょう。
他のトップブランドとの比較は?
2~3万円するような、Air Pods Pro、Jabraやゼンハイザー、Technicsなどのトップクラスのイヤホンにかなり肉薄していると思いますが、個人の感想としてはもう一歩。
とは言え、他の1万円前後のイヤホンに比べると、音のクリアさ、音の再現度、音の広がりのどれをとっても高品位です。ただ、音質を求めたいなら、迷うことなく他のトップブランドイヤホンを選ぶべきでしょう。
ウルトラノイズキャンセリング 2.0の実力は?
本モデルの特長の一つである「ウルトラノイズキャンセリング 2.0」はどうでしょうか。これまでノイキャンは周囲の状況に合わせて、自分で好みのノイキャン強度を調整していましたが、2.0に進化したおかげで自動調整されるようになりました。
選べる強度は「弱・中・強」の3段階で、さらにノイズキャンセリングの効果が実感できない場合は周囲の環境音に合わせて最適化する機能(HearID ANC)も備わっています。
個人的には、自動でノイキャン強度が切り替わることによる恩恵はあまり感じられませんでした。もう少し強くノイキャンが掛かってほしいと思ったときに、「中」や「弱」と判定されてしまったりミスマッチが多々あり、自分には合いませんでした。
※事故防止の観点からは、自動判定に従って適度に周囲の音を取り込むことも重要です!危ないこともあります。
まとめ
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました!本稿では、Ankerの最新フラッグシップモデル「Anker Soundcore Liberty 3 Pro」を実際に使用した感想を書きました。Ankerは大好きなメーカーで、かなり期待値が高かったのか、ちょっと辛口のレビューになってしまった感があります。
結論
謎にファットな低音をEQで調整さえすれば、素晴らしい音質であることは間違いないのですが、19800円という価格を踏まえると、音質部分は値段なりの性能だったと言えます。Libertyシリーズの前モデル「Soundcore Liberty Air 2 Pro」との価格差(7千円弱)を考え、マルチポイントの有無でどちらを購入するか決めてしまってよいでしょう。
ちょっと辛口になってしまったのは、個人的に合わない音質だったのと、アプリのHearIDと3Dオーディオがイマイチな出来だった、さらに耳にあたる部分のラバー素材が長時間着けていると蒸れて気になる、といったことが理由です。
Ankerと言えば、価格にわりに高性能というコスパばかりに注目されがちですが、「Anker=安くてそこそこ」というイメージはそろそろ払拭する時期なのかもしれません。
ちなみに、同価格帯ではゼンハイザーのミドルクラス・イヤホンもオススメです!
以上、ベア三郎でした!
コメント