テレビの大型化が進む中、おうち映画館を作ろうとサウンドバーを求める人が増えています。
その中でも、特に音質にこだわる人々から圧倒的な支持を集めているのが、最強サウンドバーとの呼び声高いゼンハイザーの『AMBEOシリーズ』です。
そんなAMBEOシリーズに、新たにコンパクトさとパワフルさを兼ね備えた『Mini』が加わりました。
従来モデルに比べ、少し手頃になったこともあり、この機会に憧れのゼンハイザーサウンドを手に入れたいと考える人も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、実際にAMBEO Soundbar Miniを使用してみた感想をベースに、メリット・デメリットをお伝えします。購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
AMBEO Soundbar Miniの製品仕様
まずはAMBEO Soundbar Miniの製品仕様からチェックしていきます。
項目 | Ambeo Mini | Ambeo Plus | Ambeo Max |
---|---|---|---|
公式価格(執筆時点) | ¥130,100 | ¥242,000 | ¥357,500 |
アンプ | 6(ハイエンドD級アンプ) | 9(ハイエンドD級アンプ | 13(ハイエンドD級アンプ) |
出力数(RMS) | 250W | 400W | 250W |
スピーカー数 | 6 | 9 | 13 |
フルレンジ | 4(1.6インチ) | 7(2インチ) | 2(3.5インチ) |
ツイーター | なし | なし | 5(1インチ) |
サブウーファー | 2(4インチ) | 2(4インチ) | 6(4インチ) |
チャンネル数 | 7.1.4 | 7.1.4 | 5.1.4 |
プロセッサー | Quad Core 1.8GHz | Quad Core 1.8GHz | DualCore 1.2 GHz, 2 x Dual Core 500 MHz SHARC DSP |
周波数帯域 | 43Hz – 20KHz | 38Hz – 20KHz | 30Hz – 20KHz |
寸法(cm) | 70 x 10 x 6.5 | 105.1 x 7.7 x 12.1 | 126 x 13.5 x 17.1 |
重量 (kg) | 3.3 | 6.3 | 18.5 |
WiFi | 802.11 a/b/g/n/ac/ax | 802.11 a/b/g/n/ac/ax | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 4.2 |
価格
もっとも気になる価格は、既存モデルが20~30万円に対して、AMBEO Soundbar Miniは13万円(公式ストア)とかなりお手頃。サウンドバー全体で見てもハイエンド寄りのミドルクラスといった価格です。
1つ上のAMBEO Soundbar Plusが大体24万円なので、半額近い価格ですね。
スピーカー構成
次に、アンプ&スピーカー構成です。AMBEO Soundbar Miniは、1.6インチのフルレンジスピーカーが正面とサイドにそれぞれ2基ずつ、低音を担当するサブウーファーが上向きに2基搭載されています。
それぞれハイエンドのD級アンプと接続し、総出力数は250Wです。
小型サウンドバーの中では規格外となる合計6基ものスピーカーを搭載し、AMBEO技術によって、部屋の中に7.1.4chのファントムスピーカーを構築します。
再生可能周波数帯域は43Hzから20KHzとなっており、低音域の数字だけを見ると、他の2モデルに比べて少し物足りなさを感じるかもしれません。詳しいサウンド評価はこのあと書いていますが、実際に聴いてみると非常に質の高い低音が楽しめたため、大抵の方はこれ1台で満足できると思っています。
床が震えるような重低音が欲しい!という方は、外付けサブウーファー『AMBEO Sub』を追加することで解決できます。AMBEO Subは最低域27Hzという驚異的な重低音が味わえます。まずはMini単体で試してみて、万が一満足できなかったら追加すればいいでしょう。
SoC
プロセッサーはAMBEO Soundbar Plusと同じ1.8GHzのクアッドコアSoCが搭載されています。Miniだからと言って、プロセッサーの質を落としている訳ではないのは嬉しいですね。これにより、7.1.4ホームシアターシステムに匹敵するAMBEO仮想化技術がしっかり堪能できるという訳です。
また、高速な無線LAN規格であるWi-Fi6への対応や、SBC/AACコーデックに対応したBluetooth 5.0(Sub接続時はLC3)を備えるなど、モダンな通信技術もしっかり搭載しています。
また、本機はスペースキャリブレーションと音声アシスタント用マイクとして、高感度ファーフィールドマイク 4個搭載。
部屋の形状に合わせて、7.1.4chのファントムスピーカーを設置。Dolby Atmosやdts:Xを始めとする立体音響フォーマットの魅力を余すことなく堪能できます。また、Apple AirPlay2、Spotify Connect、Tidal Connect、Alexa built-in、およびGoogle Chromecastなど充実したネットワークサービスにも対応しており、スマホから音楽を簡単に再生することができます。
AMBEO Soundbar Miniのデザイン
AMBEO Soundbar Miniは、そのコンパクトなサイズとスリムなデザインが特徴です。全体的には、1つ上のグレードとなるAMBEO Soundbar Plusのデザインを踏襲しているようです。
これだけ小さいのに、合計6基のスピーカーが内蔵されているなんて本当に驚きです。
重量もたったの3.3Kgなので、設置や移動も簡単。壁掛けも可能なので、リビングだけではなく自室や寝室など、設置場所を選びません。
外観はシックなブラックで統一されており、テレビ前に置いてもスーッと馴染みます。使用されているプラスチックやファブリック素材の質感も高く、溢れ出る高級感に満足度も高いでしょう。
フロント右下のAMBEOエフェクト状態を示す『ロゴ』と、さりげなく設置された『リモコン受信部』も非常にシャレてます。ゼンハイザーの製品はいくつか持っていますが、どれも機能的で美しく、貸与品ながら惚れ惚れする見た目でした。
横から見ても、非常にスタイリッシュです!
AMBEO Soundbar Miniの接続性
接続性についてもチェックしていきましょう。
AMBEO Soundbar Miniのポート構成は、非常にシンプル。電源コードとHDMIケーブルさえつなげばいいだけなので、誰でも簡単に設置できるはず。
HDMI 2.1のeARCポートなので、Doly Digital PlusベースのDolby Atmosはもちろん、Dolby TueHDまで高品質なオーディオフォーマットの伝送に対応しています。
また、Bluetooth経由にてスマートフォンやタブレットとも簡単にペアリングが可能です。さらに、Wi-Fiを介してApple AirPlay 2やGoogle Chromecastも利用できます。スマホからストリーミング音楽を流し、ワイヤレススピーカーとして使えます。
AMBEO Soundbar Miniの操作性
操作は天面にあるタッチパネルとリモコン、ゼンハイザーのスマホアプリ『Smart Control』があり、詳細な設定やカスタマイズが可能です。また、セットアップすればスマートアシスタント(Amazon Alexa、Googleアシスタント)を使って声だけでサウンドバーを操作することも可能になります。
リモコンは重厚感あるデザインで、シンプルで使いやすいです。
より詳細な設定はスマホアプリで行う感じです。視覚的にも分かりやすい!
リモコンもしくはアプリから、サウンドプロファイルの切替も行えます。アダプティブにしておけば自動的に最適なサウンドプロファイルに設定されるので、とっても手軽です。
サウンドプロファイル | 説明 |
---|---|
Adaptive (アダプティブ) | 再生中のコンテンツに合わせて、設定が自動的に変わります。 |
Music (音楽) | 音楽の再生用に最適化されています。 |
Movie (映画) | 映画の再生用に最適化されています。 |
News (ニュース) | ニュースの再生用に最適化されています。 |
Neutral (ニュートラル) | 入力ソースのサウンドがそのまま再生されます。 |
Sports (スポーツ) | スポーツ放映の再生用に最適化されています。 |
AMBEO Soundbar Miniのサウンド品質
サウンドバーでもっとも重要な音質についてレビューします。
AMBEO Soundbar Miniは高級オーディオメーカーであるゼンハイザーの名に相応しいHi-Fiサウンドが楽しめます。中音域・高音域は非常にクリアで、とにかく美しいの一言。普段、別のサウンドバーで聴いているサウンドに比べると「こんな音だったのか…」と改めて感心するレベルでした。
一方、低音に関しては、恐らく公表されている43Hzという数値通りの帯域までしか出ていません。とはいえ、こちらもクリアで深みのある低音で、アクション映画の銃撃戦や砲撃なども迫力あるサウンドで楽しめます。
小型サウンドバーも沢山レビューしてきましたが、まさに規格外です。ワンボディタイプのサウンドバーの中でも、このクオリティにはなかなか出会えません。
このサイズ感で、ここまで迫力溢れるサウンドが楽しめるとは、すごい時代になったなぁと思います。
Apple TV+でDolby Atmosの立体音響効果も確かめてみました。本当にDolby Atmosで再生できているのか、気になるケースもありますが、天面のLEDで再生中のコーデックが表示されるので分かりやすいです。
また、スマホアプリの『Smart Control』からも再生中のコーデックの確認が可能。
ゼンハイザーが長年に渡り、業界をリードしてきた立体音響テクノロジーである『AMBEO』もオンにしておきます。
この機能をオンにすることで、1つ1つの音が綺麗に分離され、7.1.4チャンネルの仮想スピーカーがDolby Atmosの魅力を最大限に引き出し、圧倒的な没入感が味わえます。
このAMBEOはアプリから3Dサウンドの強さもコントロールできます。『ブースト』にすれば、まさに圧巻とも思えるイマーシヴサラウンドが最大限に発揮されます。
さらに各音域の出力レベルも細かく設定することができるので、自分好みのサウンドに仕上げることも可能です。
個人的には、アクションやSF映画などは『ブースト』をオススメします。
数日間、映画やゲーム、アニメなどのコンテンツを視聴しましたが、立体音響の没入感は凄いです。壁や天井の反射も利用して、まるでサウンドに包まれるような体験が味わえます。ただし、AMBEO Soundbar Plusのような上方向のスピーカーが無く、リアスピーカーも無い状態での立体音響ですので、やはりそこには限界を感じる点は添えておきます。とは言え、これだけコンパクトなサウンドバーで、ここまでしっかりとした没入感はなかなか出会えません。
まとめ:小型スピーカーから驚きのイマーシヴサラウンド!!
AMBEO Soundbar Miniは、そのコンパクトなサイズに多くの高度な機能と接続オプションを詰め込まれていました。特に、最新の立体音響フォーマットや多数のコーデックに対応している点や、Wi-FiやBluetooth接続の対応も豊富なのは頼もしい限り。
AMBEO Soundbar Miniは、約13万円するような高価なサウンドバーですが、ちゃんと価格に見合った品質と性能を持ち合わせています。
同価格帯のライバル機と比較しても、その音質は頭1つ飛び抜けていると言っても問題ありません。ただ、物理的なDolby Atmos用のイネーブルドスピーカーや、リアスピーカー、サブウーファーが備わっている訳ではありませんので、それぞれ必要に応じて拡張や別製品の検討が必要になると思います。
それでも、同価格帯であればゼンハイザーほどのHi-Fiサウンドは諦めることになってしまうので、非常に悩ましいところです(それだけ音質は見事)。ちょうど、コンパクトでワンボディタイプの高性能サウンドバーを探している人にとっては、まさにビンゴです。おめでとうございます。迷わずポチっておいていいでしょう。音質をそのままにサラウンド感を追求したい人は、思い切ってAMBEO Soundbar Plusを買っちゃいましょう。
以上、ベア三郎でした!
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