皆さんは、数万円するイヤホンがたったの1万円で買えますと言われて信じることができるでしょうか。そんな話があるわけないと思うのが普通の反応でしょう。ところが本日紹介するAnkerは、そんな常識を覆す希少なメーカーのひとつです。
そんなAnkerから、2022年9月21日に発売されたSoundcore Space A40は、高性能なノイズキャンセリングやマルチポイントを備え、さらにハイレゾ再生にも対応する「全部入り」のワイヤレスイヤホンです。
スペックだけを見ると、定価がほぼ同じSoundcore Liberty Air 2 Proを上回り、最上位モデルであるSoundcore Liberty 3 Proと比べても遜色ありません。
果たしてSoundcore Space A40は新たなAnkerの定番イヤホンとなるのか、とても気になるところです。
この記事では、2022年9月29日に発売されたAnkerの最新完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Space A40」についてレビューします。ミドルレンジの完全ワイヤレスイヤホンをお探しの方の参考になれば幸いです。
製品名 | Anker Soundcore Space A40 |
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本体重量 | イヤホン:約4.9g(1個) ケース:約53g |
音楽再生時間 | 8時間 / 40時間(本体 / 充電ケース込み) ※ノイキャンON時、OFF時最大50時間 |
充電時間 | 完全充電まで約120分 ※10分の充電で約4時間使用可能 |
バッテリー容量 | 53mAh(イヤホン) 800mAh(充電ケース) |
ドライバー | 10mm ダイナミックドライバー |
再生周波数帯域 | 20Hz – 20kHz |
ANC | Anker独自技術 ウルトラノイズキャンセリング 2.0 |
防水防塵性能 | IPX4 |
対応コーデック | AAC、SBC、LDAC |
充電ポート | USB Type-C / ワイヤレス充電 |
Bluetooth | 5.2 |
マルチポイント | 対応 |
その他 | タッチ操作、外音取込み、イコライザー対応(Soundcoreアプリ) |
Soundcore Space A40 レビュー
Soundcore Space A40は、国内では定価12,990円、アメリカでは$99で販売されている完全ワイヤレスイヤホンです。ミドルクラスのJBL LIVE FREE 2・デノン AHC830NCW・Amazon Echo Budsが14,000円台という価格の中、ミドルクラスでも珍しいハイレゾ再生に対応する高コスパモデルです。
カラーは光沢のあるブラック・ホワイト・ネイビーの3色で、5種類のシリコン製イヤーチップ(XS、S、M、L、XL)が同梱されています。タッチセンサー付きのエンクロージャーは、マットなスペースグレイ仕上げ。価格の割に高級感あるデザインです。
強力なノイズキャンセリング
効果のほどは後述しますが、ノイキャンはAnker独自の「ウルトラノイズキャンセリング2.0」が搭載されています。これまでAnkerでは上位モデルにのみ「ウルトラノイズキャンセリング2.0」が搭載されていましたが、ついにミドルクラスのモデルにも搭載されるようになりました。「ウルトラノイズキャンセリング2.0」は、強力なノイズキャンセリング性能を誇り、周囲の騒音レベルに応じて自動的にノイキャン強度をコントロールする機能が備わっています。騒音が少ない環境では、より自然な音で楽しめるという訳です。
Soundcore史上最少サイズ
また、Soundcoreイヤホン史上最小サイズとのことで、確かにスリムで日本人の耳にピッタリ合うサイズ感。約4.9gと軽量なので、長時間装着していても疲れません。
イヤホン自体がコンパクトなので、当然ケースもコンパクト。AirPods Proより軽くて小さいため、持ち運びに便利そうです。充電ポートはUSB Type-Cで、ワイヤレス充電にも対応しています。Ankerはモバイルバッテリーのリーディングカンパニーでもあり、最大約50時間の音楽再生が可能な超ロングバッテリーを搭載。充電回りについて不満は全く感じません。
機能満載のSoundcoreアプリ
また、Ankerのスマートフォン向けアプリ「Soundcoreアプリ」にも対応しており、ノイズキャンセリングのモード切替やタッチ操作の変更、EQ調整などが行えます。中でも面白い機能として、個人の聴覚感度を元に音質調整してくれるAnker独自のHearIDも備えています。
この価格では味わえない音質
Soundcore Space A40はドライバーに二層振動板構造の10mmダイナミックドライバーを採用し、ハイレゾ再生に必要とされる20Hz から 40KHz の周波数範囲に対応しています。LDACコーデックに対応しているスマホやウォークマンであれば、ワイヤレスでもハイレゾ再生が可能です。
なお、残念ながらiPhoneはLDACに対応していませんが、AACでも十分きれいな音質でまったく問題ありません。
試しにLDAC対応のウォークマンでロスレスオーディオを再生してみたところ、しっかりLDACで接続してくれていました。音質は原音に忠実で、クセの無い真っ直ぐなサウンド。少し高音が弱い気がしたのでアプリからHearIDを調整したところ、好みのサウンドに調整できました。
機能面はハイエンドモデルに迫るものがありますが、音質的にはミドルクラスの中では平均点というところでしょうか。それでも価格を考えると、十分なコストパフォーマンスです。
LDAC対応にならぶSoundcore Space A40のセールスポイントは、価格に似合わない高性能なアクティブノイズキャンセリング機能です。
Anker独自のウルトラノイズキャンセリング2.0を搭載し、周囲の騒音に合わせて自動的にノイズキャンセリング性能を調整してくれます。試したところ、ちょうどミドルクラス~ハイエンドクラスの中間くらいの強力なハイブリッド式アクティブノイズキャンセリングで、とても1万円ちょっとのイヤホンとは思えない性能です。
この価格帯のイヤホンの中には、風切り音が気になることも多いのですが、風が強い河川敷を歩いても不快に感じることはありませんでした。かなり優秀です。
一方、外音取込みはもう少し洗練してもらう必要がありそうです。最近筆者はAirPods Pro(第2世代)、Boseの最新イヤホンとハイエンドクラスの外音取込みを体験したせいか、Soundcore Space A40の外音取込みについては少し不自然に感じました。
もちろん、実用上は問題ありませんが、近くの音も遠くの音も均一に聴こえてしまい、遠近感が少し狂う感じがしました。ここはAnkerのこれまでのラインナップと同程度の品質と言えるので、Soundcore Space A40だけが問題あるということではありませんし、同価格帯のイヤホンではよくある現象です。
まとめ:EQ調整で上位モデル並みに化けるハイコスパモデル
最後までお読みいただきありがとうございました。ハイエンドモデルに迫る音質とノイズキャンセリング性能を持ちながら、半値以下で買えてしまうSoundcore Space A40には驚きを隠せません。コストを抑えつつも、音質と機能にこだわる方にはSoundcore Space A40はおすすめの選択肢になると思います。
メリット | デメリット |
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強力なノイズキャンセリング機能 ミドルクラスでは稀なLDACサポート 最大50時間のロングバッテリー | 外音取込みがイマイチ ハイエンド並みのサブベースは味わえない |
同社の大人気モデルであるSoundcore Liberty Air 2 Pro、最上位モデルであるSoundcore Liberty 3 Proと比較しても遜色ないばかりか、コンパクト&大容量バッテリーで快適に利用できます。間違いなく、Ankerの完全ワイヤレスイヤホンのラインアップの中ではイチオシモデルといってもよいでしょう。
Soundcore Space A40は、LDAC対応スマホやAACが使えるiPhoneユーザーにとって、ほとんどの方が満足できる品質と言えます。一方、LDACに対応していないAndroidのユーザーにとっては、宝の持ち腐れになってしまう可能性があります。そんな方は、もう少し予算を追加してミドルクラスのJBL LIVE FREE 2・デノン AHC830NCW・Amazon Echo Budsあたりも検討してみてください。
以上、ベア三郎でした!
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