10月27日、AnkerのSoundcoreシリーズに待望の新モデルが登場しました。これまで「Liberty Air 2 Pro」、「Liberty 3 Pro」と順調に進化してきたSoundcoreだけに、思わず期待値が高くなってしまいます。
Ankerの魅力は何と言ってもコストパフォーマンスの高さでしょう。これまでもAppleやSony、Boseといったトップランナーに負けず劣らずのイヤホンを、半額以下という驚きの価格で提供してきました。
今回発売されたSoundcore Liberty 4は「Anker史上最高傑作」を謳っており、完全ワイヤレスイヤホンに求めるすべての機能が盛り込まれた意欲作となっています。
この記事では、発売されたばかりのSoundcore Liberty 4について、実際に触ってみた感想をレビューします。ノイズキャンセリング機能付きの完全ワイヤレスイヤホンをお探しの方にとって参考になれば幸いです。
Soundcore Liberty 4 の概要
まずはSoundcore Liberty 4の概要を確認しておきましょう。Soundcore Liberty 4は、ノイズキャンセリング・外音取込み・ハイレゾ対応・ワイヤレス充電・マルチポイント接続・3D/空間オーディオに対応した完全ワイヤレスイヤホンです。
Anker独⾃の⾳響構造「A.C.A.A (同軸⾳響構造) 」が3.0に進化し、評価の高かった音質がさらに向上。また、AirPods Pro寄りのデザインと2層構造イヤーチップを採用したことで、これまでにない着け心地が実現しています。
さらにユニークな点として、新たに心拍モニタリングやワークアウトなどに対応したヘルスモニタリング機能も追加されました。
製品仕様
重さ | 約5.8g (イヤホン本体 ⽚⽿) / 約55g (充電ケース含む) |
通信方式 | Bluetooth 5.3 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC™ |
充電時間 | 約1時間 (イヤホン) / 約2時間 (USB-Cケーブル) / 約3時間 (ワイヤレス充電) |
再生可能時間 | 標準モード時:最⼤9時間 (イヤホン本体) / 最⼤28時間 (充電ケース使⽤時) ノイズキャンセリングモード時:最⼤7時間 (イヤホン本体) / 最⼤24時間 (充電ケース使⽤時) LDAC™使⽤時:最⼤5.5時間 (イヤホン本体) / 最⼤時間 (充電ケース使⽤時) |
パッケージ内容 | Soundcore Liberty4、充電ケース、イヤーチップ (4種類) 、USB-C & USB-Aケーブル、クイックスタートガイド、安全マニュアル |
コンパクトで取り出しやすいケース
ケースは非常にコンパクトで、マットな質感がナイスです。大容量バッテリーを搭載しており、イヤホン単体で最大9時間、充電ケース込みで最大28時間の音楽再生が可能。
ケースの開閉はスライド式になっており、イヤーチップがほんのり光るため、暗所でも取り出しやすくなっています。
充電はUSB Type-C経由か、ワイヤレス充電で行います♪
個人的にAnker史上最高の着け心地!
AirPods Proのパクりと言えばそれまでなのですが、耳にスッポリ納まって着け心地はAirPods Proと遜色ありません。さらに、独自開発の「CloudComfortイヤーチップ」が着け心地をより優れたものに仕上げています。
イヤーチップは全部で4種類あり、Soundcoreアプリから密閉度を測る装着テストも行えます。2重構造になっているため、裏返りにくいのもこのイヤーチップの大きな特徴です。
人間工学に基づいた抜け落ちにくいデザインになっている他、タッチコントロールも新しくなりました。これまではタップ操作でしたが、Soundcore Liberty 4ではAirPods Proと同じ、ステム部分をつまむ「クリック操作」になりました。クリック音がしっかり聴こえるので、タップに比べると「操作している感」があります。
また、IPX4相当の防水性能があるので多少の雨や汗であれば問題ありません。
EQ調整はもちろんヘルスモニタリングもできちゃう
Soundcore Liberty 4では、Soundcoreアプリを使うことで、EQやタッチコントロール動作などの調整が行えるようになっています。
さらに本モデルの目玉機能として、ヘルスモニタリングが追加されており、心拍モニタリング、ストレスチェック、姿勢リマインダー、ワークアウト機能などが使えるようになりました。
筆者は普段、Apple Watchでヘルスモニタリングを行っているので使う機会はあまり無さそうですが、面白そうな機能です。
音質とノイキャン性能をチェック
Soundcore Liberty 4では、2つのダイナミックドライバーを1つのモジュールに統合して同軸上に配置するAnker独⾃の⾳響構造「A.C.A.A (同軸⾳響構造) 」が3.0に進化。
⾼⾳は繊細ながらもマイルドに、低⾳は⼒強くてリッチながら明瞭に、あらゆる⾳域でバランスの取れた⾳質が実現されているとのこと。
また、3Dオーディオによる360゜の音響体験に対応しているほか、ハイレゾコーデックの「LDAC」にも対応。残念ながらiPhoneはLDAC未対応ですが、対応しているAndroidスマホやウォークマンがあればさらなる高音質で音楽が楽しめるようになっています。
これまでも、確かな音質で驚きを与えてくれたAnkerだけに、史上最高と謳われる音質に期待が膨らみます。
音質:期待以上の音質だが、気になるところも
チャーリー・プースの「I Don’t Think That I Like Her」を聴いてみると、非常にクリアで拡がりあるサウンドに驚きました。この価格帯の密閉型イヤホンはどうしてもハウジングの構造上、音の抜けがイマイチなことが多いのですが、Soundcore Liberty 4はハイエンドクラスのイヤホンにも引けを取らない音の拡がりです。
デフォルトの音質は、良くも悪くも万人受けする「華やか」なサウンドに仕上がっています。
低音も十分にファットで強めに出ており、ヒップホップやエレクトロミュージックのサブベース感もしっかり出ていますし、HR/HMにもピッタリです。
音の分離感も「かなり」良く、各音の情報量が多くリッチ。聴きごたえ十分なイヤホンです。一方で、長時間聴いていると高音が少し耳に刺さる傾向があります。その場合はイコライザで高音を少し下げるといいかもしれません。
さて、静かなピアノジャズの聴き心地はどうでしょうか。キース・ジャレットの「ボルドー・コンサート Part Ⅲ」をじっくり聴いてみます。
このとき、SoundcoreアプリでEQをプリセットの「ピアノ」に変更しました。これが功を奏し、先ほどまで華やかで少しアタック感が気になったサウンドが一変。低音から高音までマイルドなサウンドに生まれ変わり、鍵盤を戻す際の繊細なタッチも明瞭かつ美しく聴くことができました。
歴代のSoundcore Libertyシリーズを聴いてきた筆者としては、文句なくNo.1で確定です。この価格帯のイヤホンでは頭一つ抜いけていることは言うまでもありません。
ノイズキャンセリング性能は?
筆者はAirPods Pro2やBose QuietComfort Earbuds IIなど、 これまでとは別次元のノイキャン性能を誇るイヤホンをレビューしてきました。その影響もあって少し厳しくレビューするとSoundcore Liberty 4はその域には達していません。
Soundcore Liberty 4は最高クラスの性能には及びませんが、必要十分なレベルで不快な雑音をしっかり除去してくれます。
なお、ノイズキャンセリングはSoundcoreアプリの「HearID」で最適化しておく必要があります。最適化することで、周囲の雑音レベルに応じて、自動的にノイズキャンセリングの強弱をコントロールしてくれるようになります。
まとめ:ノイキャンはもう一歩だが、最高クラスに迫る音質は見逃せない
完全ワイヤレスイヤホンの世界はまさに玉石混交。価格に見合った性能のイヤホンが多い中、Ankerはこれまでも高いコスパを保ってきました。
Soundcore Liberty 4は、完全ワイヤレスイヤホンに求める機能が全部入りで音質も良く、着け心地も以前のモデルに比べると格段に良くなりました。
メリット | デメリット |
---|---|
シリーズ最高の音質 シリーズ最高の着け心地 Soundcoreアプリによるカスタマイズ性の高さ LDACサポート | 高音が少し刺さる(EQ調整すれば問題ない) ノイズキャンセリングはAirPods Pro2に及ばない ヘルスモニタリングの使いどころが微妙 |
AirPods Pro2が4万円近くする中、14,990円で買えるSoundcore Liberty 4はコスパを求める多くの音楽好きにとって、最高の選択肢になるでしょう。
もう少し予算を抑えたい方には、Soundcore Space A40をご検討ください。Soundcore Liberty 4と同じウルトラノイズキャンセリング2.0に対応し、LDACもサポートしているハイコスパモデルです。
以上、ベア三郎でした!
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