2021年に発売されたWF-1000XM4から2年。満を持して発売されたWF-1000XM5を待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。
世界最高のノイズキャンセリングと、新型プロセッサーによる音質向上に興味津々ですが、競合製品と比べてWF-1000XM5はどこまで迫っているのか気になるところです。
結論を先に言うと、Apple AirPods Pro(第2世代)・Bose QuietComfort Earbuds IIと比較してみると、超えているところもあれば、もうちょっとかな?と思うところがある感じです。
ガチレビューしてみたので、購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください!
- 最高クラスのノイズキャンセリング性能
- 細部まで表現可能な高い音質
- DSEE Extremeやマルチポイントなど便利な機能が満載
- aptX系コーデック非対応
- ウレタンイヤーピースの圧迫感ある着け心地
SONY WF-1000XM5の進化をチェック
前モデルから25%サイズダウン!
WF-1000XM4は当時、最高のイヤホンのひとつでしたが、サイズの大きさが気になっていました。
それが25%も小型化に成功したおかげで、見事に着け心地が改善。AirPods Proより大きさを感じるものの、サイズ感は合格レベル。
重量も20%軽くなり、WF-1000XM4の7.3gから5.9gまで軽量化に成功しました。
ただ、WF-1000XM4もそうでしたが、遮音性を高めるためにイヤーピースがウレタンのような材質で出来ており、装着すると耳の中で広がって圧迫される感じがあります。
僕も含め、圧迫感とウレタンのザラっとした質感が苦手という人も多いと聞きます。
そんなときは、互換性のあるシリコン製イヤーピースがオススメです。『WF-1000XM5 イヤーピース』で検索すれば、割と多くの互換イヤーピースがヒットします。
同じような悩みの人がたくさんいるのかもしれないですね。
付属のイヤーピースについても見ておきましょう。WF-1000XM5には、L・M・Sに加えて、さらに小さなSSサイズのイヤーピースが付属しています。
これなら耳の穴が小さな女性や若年層でも安心して使えそうです。SONYが幅広い層をターゲットにしていることが伺えますね。
他にも少し気になった点をあげておきます。
WF-1000XM5は肌に触れる面積が少ないため、グリップ力が働きにくいです。外をランニングして外れることはありませんでしたが、ちょっと怖いなと思うことはありました。
さらに、イヤホンが非常に滑りやすいため、位置調整も気を付ける必要がありました。着け外しや位置調整する際は、ガバッと奥からしっかり掴むような感じでやるといいです。
小さくて持ち運びやすいケース
イヤホンの小型化に伴い、前モデルに比べて、ケースも一回り小さくなりました。持ち運びが容易であるだけでなく、その美しい曲線のデザインにうっとりするほど。
さりげないゴールドの刻印からも、上品さが溢れて出ています。ただし、ギリギリまでトリミングされたケースからイヤホンを取り出すには、ちょっとしたコツが必要です。
先ほどお伝えした通り、イヤホン側面がツルっとしているため、つまんで取り出そうとすると失敗します。
コツはイヤホンを少し外側に倒しながら引き抜くこと。慣れるとカンタンに取り出せますよ!
タッチコントロール部分はマット仕上げなのですが、逆でもよかったのでは…。
あと、ケースはマット仕上げなので傷は目立たないと思いますが、スレや汚れには弱そうなので、保護ケースはマストかなと思います。
SONY WF-1000XM5のノイズキャンセリング性能
さて、もっとも期待が高まるWF-1000XM5のノイズキャンセリング性能についてチェックしていきます。
WF-1000XM5では、新開発の統合プロセッサーV2と、高音質ノイズキャンセリングプロセッサー「QN2e」のデュアルプロセッサー設計により、ノイズキャンセリング性能が20%向上。
さらに、WF-1000XM4では2つだったノイズキャンセリング用マイクの数が3つに増え、低音域ノイズに強くなっているとのこと。
実際試してみて
いつも歩いている家から駅までの道のりと、電車内でのノイズキャンセリング性能を確かめてみました。
まず違いを感じたのが、車の騒音です。AirPods Pro(第2世代)も強力なノイズキャンセリング性能を誇りますが、WF-1000XM5はさら上回っていました。AirPods Pro(第2世代)では消しきれない、タイヤから出る高周波のノイズまでしっかり除去されています。
自転車や原付などは、真横を通り過ぎても気付かないレベルになるため、外を出歩く際はノイズキャンセリングをONにするのは非常に危険です。
こういう時に便利なのが『アダプティブサウンドコントロール』。行動シーン(例えば、歩いているか座っているかなど)に応じてノイズキャンセリングや外音取り込みレベルを自動で調整してくれるため、わざわざ外出時に外音取り込みをONにする必要がなくなります。
SONYが世界最高性能を謳うだけのことはあり、WF-1000XM5のノイズキャンセリング性能は非常に強力だと評価できます。それでいて、耳がツーンとするようなノイズキャンセリング特有の違和感(一部のノイズキャンセリング製品で感じる圧迫感など)も最小限に抑えられており、長時間着けていても疲れません。
それでも、Bose QuietComfort Earbuds IIのノイズキャンセリング性能を完全に上回っているレベルではない様子で、個人的には差はないように感じたこともお伝えしておきます。
どちらも甲乙つけがたい素晴らしいノイキャン性能です。
外音取り込みについては、これまた非常に優秀。特に人の声がとても聞き取りやすいです。AirPods Pro(第2世代)の外音取り込みもクリアで素晴らしいですが、WF-1000XM5の方がより自然に聞こえます。
SONY WF-1000XM5の音質
完全ワイヤレスイヤホンにとって、もっとも重要な音質についてチェックしていきます。今回は、King GnuのSPECIALZをハイレゾ(LDAC)音質で聴いてみました。
音質については非常にありきたりな感想ですが、完璧です。SPECIALZの無機質ながらも緻密に計算されたビートは、安価なイヤホンでは混ざって聴こえるだけですが、WF-1000XM5では複数の音がはっきりと聴き分けられ、まるで美しく交差するマーチングバンドのような調和を堪能することができました。
また、AirPods ProやBose QuietComfort Earbuds IIではサポートしていないハイレゾ音源が楽しめるのも、WF-1000XM5だからこその強み。さらに、ハイレゾ未対応の音源でもDSEE Extreme(高音域を補完することで音質を向上させるSONYの独自技術)により、美しくアップスケーリングしてくれるのもSONY製品ならではの優位性だと思います。
僕の中では現時点で最高音質の完全ワイヤレスイヤホンはWF-1000XM5で決まりです!
癖のないサウンドで、オールジャンルで使える高音質イヤホン♪
まとめ:最強ノイキャン×最高音質。約4万円は高いけど、納得の完成度!
ノイキャン付き完全ワイヤレスイヤホンの競争は激しく、まさに日進月歩の世界です。発売当時は最強だった前モデルWF-1000XM4も、わずか1年ほどでAppleやBoseの新モデルが登場し、抜きつ抜かれつの展開となりました。
そして、今回WF-1000XM5の登場により、ノイキャン・音質ともに再びSONYがトップの座に返り咲いたと思います。
LDACやDSEE Extremeを始めとする高音質技術、マルチポイントやアダプティブサウンドコントロールといった便利機能も満載で、さすが日本が誇るSONYだと実感することができるイヤホンです。
以上、ベア三郎でした!
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