皆さん、こんにちは。音楽好き家電製品アドバイザーのベア三郎です!
8月23日にホワイトモデルが発売され、31日にブラックモデルが発売されたゼンハイザーの最新ヘッドホン「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」。今回ご紹介するブラックモデルは9月下旬の発売予定でしたが、急遽、発売が早まったかたちです。
前モデル「ゼンハイザー MOMENTUM 3 Wireless」の発売からわずか3年。デザインや音質などフルモデルチェンジを遂げ、新たなフラッグシップモデルとなりました。
この記事では、ゼンハイザーの最新ワイヤレスヘッドホン「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」について、実際に使用した感想を正直レビュー。前モデルと比べてどれくらい進化したのか、また、現行ライバル機とされる「SONY WH-1000XM5」と比べてどんな感じなのかも含め、お伝えできればと思います。
本記事は実際に購入してレビューしました。
- 明瞭でクセの無い美しいサウンド
- 60時間持つ超ロングバッテリー
- 自動調整可能なハイブリッド方式のANC
- 「SONY WH-1000XM5」に比べるとわずかにANC性能は劣る
- 伝統的なメタリックデザインからファブリックデザインに変更
ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wirelessの概要
まずはスペックから
MOMENTUM 4 Wireless | SONY WH-1000XM5 | |
---|---|---|
本体重量 | 約292g | 約250g |
音楽再生時間 | 最大60時間(NC ON時)、最大40時間(NC OFF時) | 最大30時間(NC ON時)、最大40時間(NC OFF時) |
充電時間 | 約2時間 5分の充電で約4時間使用可能なクイック充電に対応 | 約3.5時間 10分の充電で約5時間使用可能なクイック充電に対応 |
ドライバー径 | 42mm | 30mm |
再生周波数帯域 | 6 Hz – 22,000 Hz | 4 Hz – 40,000 Hz |
ANC | ハイブリッド方式(NC用マイク4個) | ハイブリッド方式(NC用マイク8個) |
対応コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX adaptive | SBC, AAC, LDAC |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
発売日 | 2022年8月23日 | 2022年5月27日 |
価格 | 54,500円(公式ストア) | 49,500円(公式ストア) |
「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」のスペック表です。スペック表だけをみると、最大60時間再生可能な超ロングバッテリーが搭載されており、低遅延・高音質なコーデックである「aptX adaptive」対応とのことでワクワクが止まりません。価格帯的にライバル機として考えられる「SONY WH-1000XM5」と比較すると、単純に再生時間は2倍ですが、再生周波数帯域をみるとハイレゾは未対応・重量は 42g 重たい、aptX対応でLDAC未対応のスマホでもいい音が期待できる、といったところでしょうか。
充電時間もわずか2時間ってすごすぎない…!?
とはいえ、ゼンハイザー好きはハイレゾ対応なんて微塵も気にしません(笑)。そもそも人間の可聴領域は 20 Hz~20,000 Hz までとされており、さらに歳を重ねるごとに狭くなります。ハイレゾは特定のシーンにおいては有用ですが、善良なゼンハイザー市民にとって、数字はあまり重要じゃなかったりします。※負け惜しみ含む。
あと、ANC用のセンサーマイクの数でも負けていますね。さすがテクノロジーのソニーだけあって、数字に出てくるところは非常に強いです。※実際、名器です。
スペックより実際どう聴こえるかのほうが大事!
全体的に柔らかなデザインに刷新
10年近く続いてきたMOMENTUMシリーズは、どれもメタリックなモチーフで人気がありましたが、今回は真逆とも言えるファブリックかつ丸みを帯びたデザインとなりました。
タッチセンサーに対応したことでボタンの数も減り、ずいぶんとスッキリした印象です。これまでの工業品を想わせる無骨なデザインもよかったのですが、そのDNAはヘッドバンドの金属製ロゴにしっかり受け継がれています。このファブリック×メタリックの融合も高級感があって素敵ですよね。
全体的に丸みを帯びているのにも理由があって、風切り音を最小に抑えるための工夫とのこと。このおかげか、専用アプリで風切り音のバランス調整もできますが、デフォルトでも風切り音はかなり小さいです。
また、ヘッドバンドの調整部分も大きく変わり、スムーズに伸縮するアームを採用。ヒンジも摩擦が最小になる設計となっており、長く使っても軋みが起きにくい構造であることが想像できます。
動かしても摩擦音が全く聞こえません♪
個人的には理想的な着け心地
「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」では、前モデルから 約10g 軽量化が図られ、ヘッドバンドやイヤーパッドの素材も刷新。ヘッドバンド内側はシリコン加工されており、サラサラとした気持ちいい手触りです。また、中央部にクッション素材が入っているので、頭頂部をやさしく受け止めてくれます。
もっちり厚みのあるイヤーパッドは、前モデルと比べて若干低くなりましたが、ある程度の空間がキープされており、耳がスッポリと収まります。このデザインは外部からの騒音を抑えるとともに、拡がりある音場を作り出すのに一役買っています。素材もシープスキンから、ヴィーガンレザーに変更され、しっとり・滑らかな着け心地。
特にヘッドバンドの締め付け具合が最高です。強すぎず、弱すぎずといったまさに神バランス。「SONY WH-1000XM5」は自分にはやさしすぎる感じだったので、個人的に好みの装着感でした。
自分史上最高クラスの着け心地♪
進化したサウンドとノイキャンをチェック!
より進化したゼンハイザーサウンド
原音に忠実なサウンドで定評のあるゼンハイザーですが、「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」でもその(音の)性格は顕著です。ドライバーは42mmのダイナミック型を採用し、よりダイレクトにサウンドを届けるため、バッフルと呼ばれるドライバーユニットの格納パーツの角度が工夫されています(アングルバッフル技術)。
このバッフルの工夫はゼンハイザーのモニターヘッドホンでも活用されており、より自然で拡がりある音場が提供できるとされています。
実際にコールドプレイのX&Yを聴いてみると、すぐに立体的で広々としたサウンドステージに包まれます。
やはり肉厚なイヤーパッドとアングルバッフル技術が利いているようです。
各楽器も、まるで目の前で演奏しているかのような臨場感。つまり、音の解像度が非常に高いことを表しています。
各音域も、ハーモニーを壊さない丁寧な音作り。
同価格帯の「SONY WH-1000XM5」や「Bose QuietComfort45」と比べ、突出していい音という訳ではありませんが、ほかのヘッドホンと比べてもバランスが整ったサウンド設計となっており、まさに万人受けする音作りです。
本モデルはBluetooth5.2に対応したクアルコム製チップに加え、DACとノイズキャンセリングを処理する専用チップを搭載しており、AAC接続でも十分すぎるほど解像度が高く、明瞭感あるサウンドに仕上がっています。ヘッドホン自体の出来がいいと、接続方式はあまり関係ありませんね。LDACに比べると音のダイナミクスに違いが出る気がしないでもないですが、数%以内の誤差というか、最終的には好みのレベルに落ち着きます。
手元のハイレゾ対応ウォークマンで、FLAC・DSDなどのハイレゾ音源を有線接続してじっくり聴き比べも行いました。さすがに有線接続をワイヤレスが超えることはあり得ませんが、それでも「あれ、いま有線・無線どっちだっけ…?」となることもしばしば。通勤・通学に使用する分には違いが気になることはないと思われます。
いい意味でクセの無いナチュラルなサウンドです!
より進化したノイズキャンセリング
「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」は、フィードフォワード・フィードバックの両方を採用した ハイブリッド方式の強力なアクティブノイズキャンセリング機能を備えています。
専用アプリにて、ノイズキャンセリングの強さと外音取込みのレベルが調整できるようになっており、アダプティブを有効化すると周囲の騒音に応じて自動的に調整してくれます。
センサーマイクの数は「SONY WH-1000XM5」の片耳あたり4つに比べると、本モデルは2つと差があるものの、ノイズキャンセリング性能については2倍の差はありません。海外の分析サイトによると差は数%のレベルでやや「SONY WH-1000XM5」が勝るレベルとのこと。
また、風の強い日ではANC用センサーマイクが風の音を拾ってしまい、うるさくて仕方がないヘッドホン・イヤホンが多数存在します。ですが、「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」は風切り音の抑制レベルも調整可能。風の強い日でも安心してANCをオンにすることができます。
しっかり騒音を除去してくれますよ♪
そのほかの注目したい機能
驚異的なバッテリー性能
「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」は、ANCを有効にした状態で、iPhoneとAACで接続・中程度のボリュームでなんと最大60時間の連続再生時間とのこと。「SONY WH-1000XM5」や「Bose QuietComfort45」に比べて、2倍もの超ロングバッテリーを備えています。
通勤・通学で 毎日往復で3時間 聴いたとしても、4週間もバッテリーが持つ計算になりますね。「SONY WH-1000XM5」に比べて、確かに重量はあるものの、たった数十グラム違うだけで2倍のバッテリー性能。これ、やばくないですか。
スペック表で確認すると、700 mAhのリチウムイオンバッテリーが搭載されているとのこと。「SONY WH-1000XM5」は1,200 mAhなので、とんでもなく省電力なのでしょう。
一度使うと手放せなくなるオートオン・オフ機能
また、個人的にお気に入りの機能がオートオン・オフ機能です。ヘッドフォンを持ち上げるだけで、自動的に電源オンになり、使わない状態で15分経過すると自動的に電源オフになる仕様。
いちいち電源のオン・オフのためにボタン操作をするのは面倒なのですが、「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」なら煩わしいボタン操作から解放されます。
使い勝手のよいタッチパネル
前モデルは主にボタン動作でしたが、本モデルからタッチパネルで操作できるように。専用アプリからアクションのカスタマイズも行え、操作感度についてもバッチリ。上下にスライドさせて行うボリューム調整を行ったり、左右にスライドさせて曲送りなどが行えます。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました!!
この記事では「ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless」を実際に使ってみた感想について、正直にレビューさせていただきました。
ゼンハイザーの確かな音作りが味わえる高い水準にある優れた音質を備え、ノイズキャンセリング機能もトップクラスです。
価格帯的にライバルとなる「SONY WH-1000XM5」や「Bose QuietComfort45」と比べても甲乙つけがたい出来栄えとなっています。ANC性能とハイレゾにこだわるなら「SONY WH-1000XM5」を、音質とANCのバランスがよく、価格を少しでも抑えたいなら「Bose QuietComfort45」もおすすめです。
ただ、個人的に着け心地とバッテリー性能、ゼンハイザーの絶妙に調整された拡がりあるサウンドステージがかなり好みのため、しばらくメインのヘッドホンとしてお世話になりそうです♪
以上、ベア三郎でした!
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